CRITIQUE / SERIES

ファッション、離散化された人間とその様装 増補改訂版

本稿は2016年10月20日にEKRITS.JPで初出した「FASHION, DISCRETIZED HUMAN AND ITS MODALITY」を現在の視点から増補し再編集するものである。初出時の問題意識はファッションを単なる衣服や流行ではなく人間の認識や身体や記号や生活形式を変形する設計行為として捉えることにあった。

本増補改訂版ではその問いをビッグデータとA.I.と予測の問題へ接続し直す。ここでいう「様装」とは衣服の装いだけを意味しない。人間が世界に現れ分類され記号化され、それでもなお逸脱しようとする様相と装いの重なりを指す。

ファッションは人間を覆う表面であると同時に人間のあり方を作り替える操作でもある。したがって本稿が問うのは「ファッションとは何か」ではない。ファッションはいかにして新しい人間の形式を生み出しうるのか。そして離散化された世界のなかで人間はどのような様装を取り戻しうるのか。この問いである。

本稿は2016年10月20日にEKRITS.JPで公開された日本語原文をもとに英語版「FASHION, DISCRETIZED HUMAN AND ITS MODALITY」として再構成された内容を参照しながらシリーズ形式に増補改訂したものである。

01


「新しい人間」をつくるファッション

認識と身体と数学的抽象から人間という問いを始める。ファッションを身体に衣服を与える行為としてではなく人間の条件そのものに関与する設計として捉え直す。

03


モードからコードへ

ファッションをモードからコードへの移行として捉える。衣服は視覚的表現であるだけでなく身体や所属や役割や社会的位置を読み取り可能にする記号体系となる。

04


ファッション、宗教、ウイルス

信仰と感染と集団的変容の論理からファッションを考える。ファッションは身体と共同体を横断して伝播する象徴的で情動的なシステムとして現れる。

06


離散化の世界に抵抗する

世界がデータと分類と予測へ分解される状況の政治的かつ実存的な意味を問う。ファッションは人間の還元不可能性をなお出現させる抵抗の形式として捉えられる。